事例紹介
事例:Amazon Aurora環境へ移行し、自社インシデント管理システムの運用/保守性を大幅に向上
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株式会社 スマートスタイル ソリューション
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インシデント管理アプリケーション『Quaijlo(コジロー)』
「Quajilo」とは、開発や実行環境構築にLAMPスタック※を用いたインシデント管理アプリケーションで、サポート担当者間や事業所全体でインシデント内容の共有や管理を可能にするツールだ。このQuajiloを利用することでインシデントの対応漏れや重複を防ぐことができ、サポート業務の品質と効率の向上が可能になる。さらに、お客様との契約情報の管理もでき、契約更新漏れなどを防ぐことができる。
※[LAMPスタック];Linux、Apache、MySQL、PHP、Perl、Pythonスタック。構成するOS、ミドルウェアともすべてオープンソースで開発が行われている。
構成図
『Amazon Aurora』への移行を選択した理由
MySQLを始めとするさまざまなOSSシステムソリューション開発やサポート事業を行うSmartStyle社では、サポート業務においてQuajiloを使用してインシデントや契約の管理を行っている。
従来は、VPS仮想サーバ上のMySQLを使用してQuajiloを構築していたが、パッチ適用やディスク容量管理などの運用、メンテンナンス/障害対応などの保守工数が大きいという課題があった。また、障害時に素早く復旧(リストア)できない場合にインシデントの経緯が追えなくなり、対応が正しく行えなくなるというリスクも存在した。
同社では上記の課題を解決するために、現在のVPS環境からの移行を検討。バックアップや障害対応などの運用保守が簡便であったり、システム拡張や不要なリソースの縮小が容易であるなど、保守運用工数の削減が実現できること、また、MySQL互換のために現状システムからの移行が容易であったり、アプリケーション修正も不要であるなど、移行の際の工数やリスクが最小限であることから、「Amazon Aurora」環境への移行を採択した。
実際の移行作業イメージ
実際の移行に際しては以下のような手順で行った。
- 1.既存サーバのコピーから、AWS上にEC2インスタンスおよび新たにAmazon AuroraのDBインスタンスを構築する
- 2.EC2インスタンス内のアプリ設定にてDBの接続先をAmazon Auroraへ変更する
- 3.既存のDBサーバからdumpを取得する
- 4.取得したdumpをAmazon Auroraへrestoreする
- 5.システムのDNSを切り替える
『Amazon Aurora』への移行の効果
Amazon Auroraへの移行後、SmartStyle社では次のような効果が現れている。
運用/保守面の効果
- ・バックアップやパッチ適用が自動化され、運用工数が削減された
- ・ディスク容量が自動でスケールされるため、管理コストが不要になった
- ・リストア作業が簡便で高速なため、障害時の運用リスクが減少した
- ・CloudWatchやSNSでのアラート設定が容易なため、運用管理や障害時の復旧が容易になった
セキュリティ面の効果
- ・VPC(Virtual Private Cloud)やSecurityGroupの設定でトラフィックを制御することが可能になり、簡便で堅固な運用ができるようになった
- ・WAF(Web Application Firewall)が導入されることで、Webサービスへのセキュリティ対策も講じることができるようになった
- ・IAM(Identity and Access Management)やCloudTrialを利用することで、社内のアクセス制御/管理を行うことができるようになった
他のAWSサービスとの連携でのメリット
他のAWSサービスとの連携が容易となり、実際に下記サービスを合わせて利用するようになった。
- ・ACMにてSSL証明書のプロビジョニング
- ・EC2でフロントシステムの構築
- ・VPCで独自ネットワークの構築
- ・システム監視はCloudWatchで行う
- ・アラート通知はSNS、Lamdbaを使用しメールやチャットツールへPost
- ・IAMでアクセス制御
- ・監査ログをCloudtrailで取得
- ・オブジェクトはS3にて保管